英作文添削サービスからのお知らせ AI時代のライティング力と、見えない「ロマンス」の危険性
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- 1 日前
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AIと英文ライティングの進化
私たち「英検英作文専門添削教室」は、英検英作文問題対策に特化した、英作文添削サービスを通じて、皆様のライティングスキル向上をサポートしています。
最近、AI技術の進化、特に生成AI (Generative AI)の進展には目覚ましいものがありますね。
英文の作成や添削、アイデア出しにおいてもAIは強力なツールとなりつつあります。
一方で、このAIの進化は、私たちの生活、そして英文コミュニケーションのあり方に大きな影響を与えています。
今回は、AI時代に求められるライティング力のポイントと、AIの裏側に潜む大きなリスクについて、皆様にお伝えしたいと思います。
英語力を磨くためのヒント:AI時代のライティング力とは
生成AIが”完璧な"英文を、あっという間に作り出す今、私たちはどの様な英語力を身につけるべきでしょうか?
それは、「AIを使いこなす力」、そして「AIが書けない(書かない)本質的な力」です。
①プロンプト(指示)を磨くことが、ライティングの新しいスキルになります。
AIから質の高い英文を引出すためには、「より具体的で、目的に合ったプロンプト」を与える必要があります。
これは、英作文で「明確なテーマ設定」や「論理的な構成」を考える作業と共通しています。
・英検ライティングへの応用例
1)Bad Prompt:"AIについてエッセイを書いて"
2)Good Prompt:"AIの教育現場への導入の是非について、賛成の立場で2つの具体的な理由と、譲歩の議論を含めた論理的な構成のエッセイを、高校生にも理解できるレベルの語彙で書いて下さい。
この様に、質の高いプロンプトを練ることで、「自分の意見を構造化する力」が向上します。
②AIには真似できない「共感」と「倫理観」
AIは大量のデータに基づき「正しい」英文を書きますが、文脈に応じた感情の機微や、倫理的に配慮すべきデリケートな表現を完璧に判断することはできません。
AIが作成した英文でも、「本当にこの表現で相手に伝わるのか?」「誤解を招かないか?」と常に批判的に推敲する力が、AI時代に最も重要なライティング力になります。
見えない「ロマンス」の危険:AIが加速させる心理的依存と詐欺
AIは単に英文を作成するだけでなく、極めて人間らしい「ペルソナ(人格)」を構築し、私たちとの「親密な関係」を築く能力も急速に高めています。
この進化の裏側には、重大なリスクが潜んでいます。
①AIが生み出す「強力な妄想的思考(Powerful Delusional Thinking)」
The New York Timesの OPINION記事にも指摘されているように、大手AI企業はデジタル"AIガールフレンド(やボーイフレンド)" の提供競争に乗り出しています。
"The race to build and monetize the AI girlfriend (and, increasingly, boyfriend) is officially on."
「AIの恋人を創り出し、収益化するための競争は、正式に始まっている。」
そして、「比較的単純なコンピュータープログラムに少し触れただけで、ごく普通の人間は強力な妄想的な思考に陥る可能性がある」と研究で示唆されています。
"Extremely short exposure to a relatively simple computer program could induce powerful delusional thinking in quite normal people."
「消費者に、AI使用の選択を委ねる事は、理論上正しいかもしれません。
しかし、AI企業は、私たちの行動データを膨大に分析し、”人がどの様な情報ややりとりで心理的に依存されるか”をよく知っています。」
Leaving consumers the choice to engage intimately with AI sound good in theory.
"Companies with vast troves of data know far more than the public about what induces powerful delusional thinking."
つまり、AIとのやりとりは、ユーザーが”自己責任”で選ぶ単なるメディアではなく、心理的なリスクを伴う依存性のある製品 (dependency-fostering product) として捉えるべき段階に入っているのです。
②ロマンス詐欺の「深化」:AIによる巧妙化
従来から国際的な問題となっているのがロマンス詐欺 (Romance Scams) です。
見知らぬ人 (実態は犯罪グループ) が SNSや出会い系アプリを通じて親密な関係を装い、金銭をだまし取る手口です。
このロマンス詐欺が、AIによって更に深刻化すると予想されます。
・パーソナライズされた関係性:AIは、被害者一人一人の性格や好みに合せ、メッセージの内容、頻度、トーンをリアルタイムで調整できます。
これにより、より早く、深く、被害者を信用させることが可能になります。
・完璧な英文と即時性:AIは、従来詐欺師が苦手としていた、自然で完璧な日本文、英文を瞬時で生成できます。
時差や言語の壁を感じさせない即時性と親密さが加わり、詐欺の成功率を高める恐れがあります。
私たちが取るべき行動と、英文コミュニケーションの注意点
AIとのコミュニケーションは、「心理的依存」を生むギャンブルやタバコのような製品として規制されるべきという議論が高まっていますが、法整備には時間がかかります。
Governments should classify these chatbots not simply as another form of media, but as a dependency-fostering product with psychological risks, like gambling or tobacco.
現時点で私たちができる事は「批判的な目 (Critical Eye)」を持つ事です。
英作文、日常の英文コミュニケーションでの注意点
①感情的誘引に注意する:どんなに魅力的な英文や、親密なメッセージが届いても、「見知らぬ相手」や「リアルな接触がない相手」に対して金銭や個人情報を求めるメッセージはすべて詐欺の可能性を疑って下さい。
②英文の「完璧さ」を疑う:不自然な日本語を使う詐欺師は減り、完璧な文章で近づいてくるAIペルソナが増えます。
文章の自然さではなく、「メッセージの背後にある目的」を冷静に分析しましょう。
③情報源を確認する:
目にする情報、文章、ニュース等を鵜呑みにせず、常に情報の発信源 (Source) を複数確認する習慣をつけましょう。
結びに
AIは私たちの英語学習の革命をもたらしますが、その光と影を知っておく事が、AI時代を生き抜く知恵となります。
以下に、望まれる法規制についての英文をご紹介します。
英検英作文問題で、AI同様、法規制に関する意見が必要となる場合にも備えて、関連語彙や表現の参考にして頂ければと思います。
Regulation would start with universal laws for AI companies, including clear warning labels, time limits, 18-plus age verification and, most important, a new framework for liability that places the burden on companies to prove their products are safe, not on users to show harm.
verification = 確認
liability = 責任
burden = 負担
文型などをバラエティに富んだものにする用法として、
・A, B, and C (並列表現):英作文の内容の説得力を増し、語彙数を指定に近づける役目もある。
・A, not B (対比表現):対比する要素を並べ、内容に深みと説得力を持たせる。
Absent swift legislation, some of the largest AI companies are poised to repeat the sins of social media on a more devastating scale.
absent = 不在の
legislation = 法律
be poised to = be ready to take action at any moment
sin = 罪
devastating = 破壊的な
<補足>
英検英作文専門添削教室では、AIが書けない「論理的思考」「批判的思考」、そして「倫理的な配慮」に基づいた、心に響く英文を書くための助言に重点を置いています。
英作文添削や学習を通じて、AIに振回されない、確かな英語力を身につけていきましょう。
ご質問やお問合せは、いつでもお気軽にホームページよりお寄せ下さい。




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