英検ライティングで養う集中力:短くなった"ATTENTION SPAN"と考える力
- 英検英作文専門添削教室・英検英作文テスト対策

- 9月3日
- 読了時間: 5分
スマートフォンが手放せない現代社会。
ニュースやSNSのタイムラインは、次から次へと流れていきます。
面白そうな動画も、気になる記事も、タップ一つでどこまでも探せてしまいます。
便利になった一方で、私たちの集中力、いわゆる"ATTENTION SPAN"は、驚くほど短くなっていると言われています。
ある研究では、現代人の集中力は、金魚よりも短いというショッキングな結果が出ているほどです。
スマートフォンの画面は、常に新しい情報で私たちを刺激し、脳は絶え間なくドーパミンを放出する状態になっています。
この状態が常態化すると、一つの事にじっくり向き合うのが難しくなり、いわゆる「考える力」が育ちにくい状況が生まれています。
「考える」とは何か?
では、「考える」とは一体どんなことでしょうか。 それは、単に情報をインプットするだけでなく、得た情報を自分の中で整理し、組立て、そして自分の言葉でアウトプットするプロセスです。
例えば、新しい単語を覚えるとき、ただ単語帳を眺めているだけでは、なかなか頭に入りません。
その単語を使って例文を作ったり、似た意味の単語と比べたり、実際に声に出して使ってみたりする事で、その単語は初めて自分のものになります。
このプロセスは、私たちの脳を活性化させ、論理的な思考や問題解決能力を育むめに不可欠なものです。
しかしスマートフォンの使いすぎによって、私たちはこの「考える」というプロセスを、ショートカットする癖がついてしまっているのではないでしょうか。
英検ライティングは「考える」力を養う最高のトレーニング
この様な状況だからこそ、私たちは意識的に「考える力」を養う必要があります。
そして、そのトレーニングとして最も効果的なのが、英検ライティング対策です。
英検のライティング問題では、与えられたトピックやQUESTION に対して、自分の意見を論理的に、かつ具体的に説明する力が求められます。
単に、"I agree." と書くだけでは点数になりません。
なぜそう思うのか(理由)、そしてその理由をサポートする具体的な例を、英語で書く必要があります。
例えば、英検2級のライティングでは、次の様な問題が出題されます。
QUESTION : Do you think it is a good idea for high school students to have a part-time job ?
この質問に対して、あなたは、Yes か No のどちらかの立場を決め、その理由を二つ書かなければなりません。
Yes と答える場合
Point 1:They can learn how to manage their money. 「彼らは、お金の管理の仕方を学ぶことができる。」
Point 2:They can learn how to communicate with other people. 「彼らは、他の人々とコミュニケーションをとる方法を学ぶことができる。」
No と答える場合
Point 1:They may not have enough time for their studies. 「彼らは、勉強する時間が足りなくなるかもしれない。」
Point 2:They may be too tired to focus on school. 「彼らは、疲れすぎて学校に集中できないかもしれない。」
これだけを見ると、「これなら書けそう」と思うかもしれません。
しかし、実際に点数を取るためには、それぞれの理由を、説得力のある英文で肉付けする必要があります。
例えば、先ほどの Yes の理由を、より具体的に説明してみましょう。
I agree with the idea that high school students should have a part-time job. I have two reasons to support my opinion.
First, they can learn how to manage their money. When they earn money by themselves, they will realize how hard it is to make money. This experience will teach them the importance of saving money and making a budget.
Second, having a part-time job can help them improve their communication skills. They have to talk to their customers and co-workers. This kind of experience is very important for their future.
どうでしょうか。単に理由を述べるだけでなく、「なぜお金の管理を学ぶことが大切なのか」「なぜコミュニケーション能力が向上するのか」を論理的に説明しています。
このプロセスは、普段スマートフォンをスクロールしているだけでは絶対に得られないものです。
①トピックを深く理解する:まず問題文を正確に読み、何について書くべきかを理解します。
②意見を形成する:賛成か反対か、自分の立場を決めます。この時、自分の本音だけでなく、英作文を論理的に展開しやすい方を選ぶことも大切です。
③理由を考える:なぜその意見なのか、理由を2つ考えます。この時、「なぜ」と何度も自分に問いかけることで、より深い理由に辿り着くことができます。
④具体例を考える:抽象的な理由を、具体例を使って補強します。
⑤英語で表現する:これらの思考を、文法的に正しく、かつ分かりやすく英語で表現します。
この一連の作業は、まさに「考える」事そのものです。
スマートフォンの様に、瞬時に答えが出るわけではありません。時間をかけて、自分の頭で情報を整理し、言葉を紡いでいくプロセスが必要になります。
この地道な作業こそが、短くなった"ATTENTION SPAN"を元の状態に戻し、「考える力」を
再構築する為の最高のトレーニングなのです。
スマートフォンは便利な道具です。しかし、それに振回される事なく、賢く使いこなすことが大切です。
英検ライティング対策を通して、デジタル社会でも失われない、揺るぎない「考える力」を身につけていきましょう。
それは、英語のスキルアップだけでなく、これからの人生を豊かにする為の強力な武器になります。
英検ライティング対策で得られる3つの力
①集中力:英文を読み、構成を考え、執筆する過程で、一つの事に集中する力が養われます。
②論理的思考力:意見を述べ、理由をつけ、具体例で補強する訓練を積むことで、物事を論理的に捉える力がつきます。
③表現力:自分の考えを、分かりやすく、かつ説得力のある英語で表現する力が向上します。
さあ、スマートフォンを置いて、じっくりと紙とペンに向き合ってみませんか。




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