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読書とスマホ制限から考える、真の英語力と書く力:宮沢賢治の詩に学ぶ論理と心

スマートフォンが生活に深く浸透した今、私たちは情報の洪水の中にいます。

指先一つで世界中のニュースやエンターテインメントにアクセスできる一方で、その便利さが「じっくり考える時間」や「深く読み解く力」を奪っているとしたらどうでしょうか。 英検などの高度な資格試験において、ライティング(英作文)で求められるのは、単なる語彙力や文法力ではありません。


それは、与えられたテーマに対して論理的で説得力のある意見を、一貫した構成で表現する力、すなわち思考力そのものです。


このブログでは、アメリカの最新の教育動向と、日本が誇る詩人・宮沢賢治の作品を手がかりに、「真の英語力」を育むためのヒントを探ります。


米国での「スマホ制限」が生んだ予期せぬ読書ブーム  

近年、アメリカの一部の学校で、生徒のスマートフォン使用を制限する動きが広がっています。


当初は、利便性の低下などから一部の保護者からの不満もあった様ですが、この制限が教育現場でポジティブな変化をもたらし始めたことが報じられています。


その変化の一つが、読書への関心の急激な高まりです。

The New York Times紙は、この現象を以下の様に報じています。


"If there are eight full hours, five days a week, during which students can't look at their phones, they may also discover that they enjoy reading for pleasure, a pastime that too many teenagers have abandoned.


Despite some parents grumbling about new bans, I see very little downside - and a lot of positive, unintended benefits.


和訳:「もし週5日、8時間もの間、生徒がスマートフォンを見ることができないとしたら、彼らは、多くの10代の若者が手放してしまった趣味ー楽しみとしての読書ーを発見するかもしれません。

一部の保護者は新しい禁止措置に不満を漏らしていますが、私にはほとんどデメリットが見えず、多くの好意的で予期せぬメリットがあると感じています。」


スマホが制限されたことで、生徒達に「時間と心の余白」が生まれ、彼らを自然に読書へ向かわせたのです。


この現象は、私たちに重要な示唆を与えます。


読書は、単に知識を得る為だけの行為ではありません。一つの情報源に集中し、作者の意図を深く読み取り、自分なりの解釈を与えるという、一連の「深く考える」プロセスそのものです。


この「深く考える力」こそが、英検の英作文で高得点を獲得する為に不可欠な「論理的思考力」の土台となります。


「雨ニモマケズ」に学ぶ、主張と根拠の構築力

読書で培った「深く考える力」を、どの様に英作文というアウトプットに繋げれば良いでしょうか。


英作文においては、自分の主張(意見)を、一貫性のある具体的な根拠で裏付けることが重要です。


この「主張と根拠の構築」のヒントは、日本の古典にも見つけることができます。


ここで、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」の全文を観てみましょう。

この詩は、賢治の「理想の生き方」という抽象的な主張を、具体的な行動で裏付けるという、見事な論理構造を持っています。


雨ニモマケズ 風ニモマケズ 

Rain won't stop me. Wind won't stop me.


夏ノ暑サニモマケヌ     

Sweltering summer heat will only raise my determination.


丈夫ナカラダヲモチ 欲ハナク

With a body built for endurance, a heart free of greed.


決シテ怒ラズ イツモシズカニワラッテイル       

I'll never lose my temper, trying always to keep a quiet smile on my face.


一日二玄米四合ト      

My daily diet must be simple : several heaped bowls of brown rice


味噌ト少シノ野菜ヲタベ

some vegetables and miso.


アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニイレズ

Profit must never be the issue.


ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ

I'll listen to others, observe carefully, and refuse to forget.


野原ノ松ノ林ノ陰ノ 小サナ萱ブキノ小屋二イテ

I'll make my home in a hut with a thatched roof, near a meadow surrounded by pine trees


東二病気ノ子供アレバ 

If a child were to fall ill in the east,


行ッテ看病シテヤリ

I'd run there to help with the nursing.


西二ツカレタ母アレバ

If a mother were to overwork herself in the west,


行ッテソノ稲ノ束ヲ負イ

I'd be there to carry the heavy bundles of rice.


南二死ニソウナ人アレバ

If a man were on the verge of death in the south,


行ッテコワガラナクテモイイトイイ

I'd rush to soothe his fears.


北二ケンカヤソショウガアレバ

If a bitter lawsuit and fighting were to break out in the north,


ツマラナイカラヤメロトイイ

I'd urge all parties to come together and talk things over.


ヒデリノトキハナミダヲナガシ

In days of draught, I'd weep, just weep.


サムサノナツハオロオロアルキ

In unseasonable cold spells, I'd walk the fields and worry over the stunned crops.


ミナ二デクノボートヨバレ

People call me a fool.


ホメラレモセズ

I doubt if anyone will applaud me.


ク二モサレズ

Then again, perhaps, none will detest me either.


ソウイウモノ二 ワタシハナリタイ

All this is my goal - the person I want to become


この詩の構造を分析すると、「私はこの様な人になりたい(主張)」という最終結論に至るまでに、「怒らない」「欲を持たない」という個人の行動様式から、「病気の看病をする」「稲の束を負う」という具体的社会貢献まで、一貫した具体例(根拠)が提示されています。


そして、すべての行動の根底には「自分を勘定に入れず」という利他的な思想があります。


英検の英作文で「インターネットの利用を制限すべきか」というテーマが出た場合、あなたはどう書きますか。


主張:「制限すべきだ」


根拠1(個人的な影響):集中力が向上し、読書などより深く考える時間が増える(裏付け:The New York Timesの記事)


根拠2(社会的な影響):ネット上のいじめやフェイクニュースによる混乱を防ぎ、社会全体の議論の質が高まる。


賢治の詩のように、抽象的なテーマを具体的な行動や事象に落とし込み、一貫性を持って積重ねる力こそが、合格答案作成の鍵になります。


読解力と思考力を、得点に直結させる為に


アメリカの事例が示すように、スマートフォンから離れて読書をする時間は、思考力を確実に高めます。


これは、英語力を磨く上で、最も質の高いインプットと言えるでしょう。


しかし、読書で培った思考力を英検の得点に直結させる為には、専門的なトレーニングが不可欠です。


当教室の英検英作文添削サービスは、単なる文法や語彙の訂正に留まりません。


あなたの英作文を、採点官の視点から以下の様に徹底的にチェックします。


①論理構成の強化:主張が明確か、根拠が具体的に裏付けられているか。「なぜ?」を繰返して、論理の穴を埋めます。


②表現の洗練:賢治の詩の様に、簡潔で力強く、説得力のある英語表現へと導きます。


③試験への最適化:英検のエッセイが求める「序論・本論・結論」の型を完璧に習得し、限られた時間内で最大限の評価を得られる構成力を養います。


スマートフォンを脇に置き、じっくり本と向き合う。


そこで得た考える力をプロの添削指導で「合格へ繋がる確かな書く力」へと昇華させましょう。


英検合格の道のりを全力でサポートします。


少しの野菜
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