top of page

スタンフォード大学の卒業祝辞に学ぶ:英検ライティング対策とSteve Jobs氏の教え


「点と点をつなぐ」:人生の意外な繋がりと英検ライティングの「構成」  

ジョブズ氏は祝辞の中で、"Connecting dots (点と点をつなぐ) という概念を繰返し語りました。過去の経験が未来にどの様に繋がるかは、その時点では分からなくても、後になって振り返ると明確な関連性が見えてくるというものです。 彼は大学を中退し、正規のカリキュラムにないカリグラフィー (書道) の授業を取った経験が、後にMacintoshの美しいフォントに繋がったエピソードを語り、当時は無意味に思えた事が、後に決定的な意味を持つ事を示しました。


彼は言います。


"Of course, it was impossible to connect the dots looking forward when I was in college. But it was very, very clear looking backwards 10 years later.

「もちろん大学にいた時は、将来を見て点と点をつなぐことは不可能でした。しかし、10年後に振り返ると、それは非常に明確で、点と点は繋がっていたのです。」


そして、核心を次の様に述べています。


"You can't connect the dots looking forward ; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future."


「将来を見据えて点と点をつなぐことはできません。振り返って初めて繋ぐことができるのです。だから、点と点が将来どこかで繋がると信じなければなりません。」


生き方の指針:


私たちは、日々の生活で様々な経験をします。中には無駄に思えたり、意味が見いだせないことも少なくありません。しかし、ジョブズ氏の言葉は、一つ一つの経験が、未来の自分を形作る大切な「点」である教えてくれます。


目の前の事に全力で取組み、好奇心を持って様々な事に挑戦する事の重要性を強調しています。結果をすぐに求めず、長い目で見て自分の成長を信じる視点が、豊かな人生を送る上で不可欠と言えるでしょう。


英検ライティングへの応用:


この「点と点を繋ぐ」という考え方は、英検ライティングの構成に応用できます。


エッセイは、一見すると独立した要素 (導入、本論、結論) の集合体の様に見えますが、効果的なエッセイは、これらの「点」が論理的に「繋がっている」事で、説得力のある「線」を形成します。


< 導入 (Introduction) > ー エッセイの方向性を示す「最初の点」です。

読者の注意を惹き、論じるテーマを明確に提示する事で、その後の展開への期待感を高めます。


< 本論 (Body Paragraph) > ー 各段落がそれぞれ独立した「点」ですが、それぞれの段落が持つ主張が、前の段落から論理的に繋がり、全体として一つの大きな議論を構成する様に展開していく事が重要です。


具体例や根拠を用いて主張を裏付け、各段落のトピックセンテンスが明確である事で、読者はスムーズに論理を追うことができます。


< 結論 (Conclusion) > ー これまでの「点」を繋ぎ合わせ、全体をまとめる「最後の点」です。

導入で提示したテーマを再確認し、本論で展開した議論の集大成として、読者に強い印象を残します。


新たな情報を追加するのではなく、これまでの論点を要約し、読者に何らかの示唆を与える事が理想です。


書き始める前にアウトラインを作成し、各段落がどの様な役割を果たすかを明確にすることで、論理的な繋がりを意識した構成を作り上げる事ができます。


「愛と喪失」:情熱を追求する勇気と英検ライティングの「内容・語彙」

ジョブズ氏はアップルからの追放という、人生最大の困難に直面した経験を語りました。

彼は次の様に述べました。


"I had been rejected, but I was still in love. So, I decided to start over."


「私は拒絶されたが、まだ恋に落ちていた。だから、やり直すことにした。」 " still in love" は彼が仕事に抱いていた深い情熱を表わしています。彼はこの喪失を、新たな創造の機会へと転換させました。


NeXT や Pixar を立上げ、最終的にアップルに復帰し、更に大きな成功を収める原動力となったのです。情熱の重要性を、次の様に強調しています。


”The only way to do great work is to love what you do."


「偉大な仕事を成し遂げる唯一の方法は、自分のしている事を愛する事だ。」


そして、もしまだそれを見つけていないのなら、探し続けるべきだと続けています。


"If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle."


「まだ見つけていないのなら、探し続けなさい。落ち着いてはいけません。」  

生き方の指針:


この物語は、人生における困難や挫折が、必ずしも終わりではない事を示しています。むしろ、それは新たな始まり、より深い自己発見の機会となり得ます。


自分が心から愛し、情熱を傾けられる事を見つける事。


たとえそれが失われたとしても、その喪失を乗り越え、新たな創造へと向かう勇気を持つことの重要性をジョブズ氏は教えています。


情熱こそが、私たちを動かす最大の原動力であり、困難を乗り越えるための光となります。


英検ライティングへの応用:


このテーマは、英検ライティングの「内容」と「語彙」に関係しています。 < 内容 (Content) >


ジョブズ氏の言葉は、エッセイの深みと独自性に繋がります。自分の考えや経験を正直に、かつ情熱的に表現する事で、読者の心に響くエッセイが書けます。


抽象的な議論だけでなく個人的な見解を盛り込むことで、内容に厚みが増します。


例えば、社会問題について意見を述べる際に、単に賛成・反対を表明するだけでなく、なぜそう考えるのか、どの様な背景があるのかも掘り下げて記述すれば、説得力が増します。


< 語彙 (Vocabulary)>


情熱を表現する為には、適切な語彙力が必要です。ジョブズ氏の祝辞には、love, passion, rejection, start over, great work といった、感情や行動を表わす力強い言葉が使われています。


ライティングにおいても、自分の考えや感情を正確に、豊かに表現できる語彙を積極的に使用する事が求められます。


感情や意見を表わす動詞:

emphasize (強調する), highlight (強調する、目立たせる), underscore (強調する), advocate (擁護する、支持する), criticize (批判する), assert (主張する), recognize (認識する), embrace (信じる、抱く), pursue (追い求める)


抽象名詞:

dedication (献身), perseverance (根気、頑張り), resilience (回復力), creativity (創造力), inspiration (ひらめき), fulfillment (実現、充足感), conviction (信念), aspiration (熱望)


接続詞や移行語句:

furthermore (更に), moreover (その上), consequently (その結果), in contrast (対照的に), despite (にも関わらず), as a result (その結果), subsequently (その後)


これらの語彙を効果的に使いこなし、単調な文章ではなく、読者を引き込むような魅力的な文章を作成できます。


例えば、「私は重要だと思う」と書く代わりに、"I strongly believe・・" や "It is crucial to emphasize・・" と表現する事で、より洗練された印象を与える事ができます。


語彙のニュアンスを理解し、文脈にあった適切な語彙を選択する事が重要です。

「死の受容」:今を生きる覚悟と英検ライティング


ジョブズ氏は膵臓がんの闘病経験を共有し、死を意識する事が人生の選択に大きな影響を与えた事を語りました。


"Remembering that I'll be dead soon is the most important tool I've ever encountered to help me make the big choices in life."


「自分がもうすぐ死ぬと心に留めておくことは、人生の大きな選択をする上で、私がこれまでであった中で最も重要な道具です。」

死を意識する事で、他人の期待やプライド、失敗への恐れなど些細な事は消え去り、本当に大切なものだけが残ると言うのです。


"Almost everything - all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure - these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important."


「ほとんどすべて - すべての外的期待、プライド、恥や失敗への恐れ - これらのものは、死を前にすると消え去り、本当に重要なものだけが残ります。」


彼は、自分の心に従う事の重要性を強く訴えかけます。


"Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma - which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice."


「あなたの時間は限られています。だから、他人の人生を生きる事で無駄にしてはいけません。ドグマ - つまり、他人の考えの結果で生きる事 - に囚われてはいけません。他人の意見の騒音に、自分の内なる声をかき消させてはいけません。」


そして、彼の祝辞を締めくくる有名な言葉です。


"Stay hungry. Stay foolish."


「ハングリーであれ。愚かであれ。」


これは、常に現状に満足せず、新しい事に挑戦し続ける姿勢、学び続ける謙虚さを表わしています。


生き方の指針:


死は、誰にでも訪れる避けられない現実です。ジョブズ氏は、この現実を受入れることが、私たちを真に自由にし、後悔のない人生を送るための原動力となる事を示しています。


時間は限られており、今日という日は二度と来ません。だからこそ、自分の心に従い、本当にやりたいこと、信じる事を追求する勇気を持つべきなのです。


他人の意見に左右されず、自分の内なる声に耳を傾ける重要性を、強く訴えかけています。


英検ライティングへの応用:


文法は、私たちが表現したい事を伝える為の土台です。この土台がしっかりしていなければ、どんな素晴らしい内容や豊富な語彙も、その意図が正確に伝わらなくなります。


以下に、英検ライティングにおいて、注意すべき文法事項を記載致します。


< 正確な時制 >


過去の出来事、現在の事実、未来の計画など、内容に応じて適正な時制を使い分ける事は、正確な情報を伝える上で不可欠です。


例えば、ジョブズ氏の祝辞を引用する際には過去形を、彼の教訓が現代にも当てはまる事を述べる際には現在形を使用するといった使い分けです。


< 主語・動詞の一致 >


単数形と複数形、三人称現在形のルールを確実に適用する事が重要です。


< 複雑な文構造の活用 >


ジョブズ氏の祝辞には、関係代名詞や分詞構文、接続詞などを効果的に使った文も含まれています。


例えば、"The calligraphy class, which seemed useless at the time, later became instrumental in designing the beautiful fonts for the Macintosh."


この様に、関係代名詞を使って情報を付加することで、簡潔かつ情報量の多い文章になります。


< 句読点の正確な使用 >


コンマ、ピリオド、セミコロンなどの句読点は、文章の区切りや意味合いを明確にする為に不可欠です。正しく使用する事で、文章が格段に読みやすくなります。


Steve Jobs氏のメッセージとライティング対策のまとめ


彼の祝辞を読込み、そこの込められたメッセージを自身のライティングに応用する事で、内容の深み、論理構成、豊かな語彙、正確な文法という、英検の採点基準において質の高い文章を書くことが可能になります。 ジョブズ氏の言葉は、単なる過去の偉人のスピーチではありません。 今を生きる私たち一人一人に語りかけ、人生の羅針盤となる知恵を与えてくれるものです。 彼のメッセージを心に留め、自身の人生と学習に活かしていけば、より充実した未来を切り開く事ができます。


このブログが生き方の指針となり、ライティング対策の一助となれば幸いです。


ree








 

コメント


本部 大阪市東住吉区鷹合3-2, 4-210 藤澤充洋

Copy Right (c) 英検英作文専門添削教室 All Rights Reserved.

  • Facebook
bottom of page